BE
COLORFUL

トルソーの先にいつも、
花嫁さまの姿を思い描いています。

DRESS
YOUR LIFE

RIE UMEDA

梅田 理恵

Atelier

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私が働くアトリエには、世界各地からドレスが届きます。イタリア、スペイン、ニューヨーク…。すべては、バイヤーが現地でオーダーし、日本の花嫁さまに似合うように手が加えられたドレスたち。たとえば、胸元が深くあきすぎているドレスにはデコルテの部分を調整したり、スカートの丈が長すぎるドレスは少し短くたり。バイヤーのオーダーした通りにドレスが仕上がっているかを、細かく見ていきます。新作を誰よりも早く見ることができるのは、私たちアトリエの特権かもしれません。いざ検品をクリアしたら次はレンタルしても傷まないように、ドレスに手を加え、傷みやすいところを補強していくのも私たちの仕事。ドレスのなかには、レースやモチーフがたくさんついた複雑なデザインもありますが、補強された箇所がわからないくらい自然に手を加えていきます。

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検品するときも、ドレスを補強するときも、私たちが前にしているのは人型のトルソー。アトリエ内では、お客さまの姿を目にすることはありません。けれども、トルソーにドレスを着せながら、いつもドレスをお召しになった花嫁さまのお姿を想像しています。このまま着たら重くて外れたりしないか、着ているときに破けたりしないか。アトリエのスタッフみんなで集まって、トルソーを前にあれこれ意見を言いながら、ベストな補強の仕方を考えていく。いまチームで取り組んでいるのは、私を含めて4人のメンバーで、それぞれ知恵を出し合い技術をシェアし合うこと。そうすることでお互いにスキルアップできるし、アトリエ全体も、もっとレベルアップできると思うのです。

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最近では週に一度店舗にも出向くようになりました。福岡市内のさまざまな店舗を巡回しながら、式直前のサイズ確認に立ち会っています。最後の最後、挙式の一週間前にお客さまの体にあわせてドレスに補正を加えていくのですが、その仕上がり次第でグッとドレスの見え方が変わるんです。現場で仕上げに関わることで、たくさん気づきがありました。補正を入れることで裏地がどう傷むのか、どう補強すると着せやすいのか。新作のドレスを補強するときにも、これまで以上に目を配るようになりました。店舗での気づきを活かすべく、アトリエで試行錯誤する日々です。サイズぴったりに補正したドレスをお客さまが美しくお召しになっている姿を想像しながら、今日もドレスに向き合っています。