2025.10.20
イライラと上手に付き合う方法【後編】
皆さま、こんにちは。事業戦略部の池口です。
生き方の戦略として『アンガーマネジメント』が有効であることを【前編】でお伝えしました。
【後編】では早速、実際にすぐにできるスキルをお伝えします。ぜひやってみてください。
●STEP1:6秒ルール
「怒りを感じたら6秒待つ」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
これは”6秒経ったら怒りが消える”ではありません。
”人間は6秒くらい時間を置くと理性が機能し始める”という理由で、目安として6秒と言われています。
なので厳密に秒数を数えることよりも、「怒っている自分」にまず気づいて何拍か間を置くことを目指します。
怒りに任せてとっさに反応することさえ抑えられれば、少し冷静に次の一手を考えるゆとりが芽生えます。
”今、私は自分を守ろうとしているんだなぁ”と考えましょう。
●STEP2:アンガーログ(記録)をつける
怒りを起こす正体とは何でしょうか?
これは私達の中にある「~すべき」「こうでなければ」「普通~でしょ」という理想や価値観が脅かされることです。
自分にとって大切な価値観に反することが起こると、自分が否定された気分になり自己防衛本能が発動して「怒り」が芽生えます。
自分がどんな時に怒りやすいのか?何がきっかけになるか?を知ることが、怒りをうまく線引きする第一歩となります。
日常の中でのイラっと、ムカッとした時にその記録をつけるのが”アンガーログ”です。
記録をつけるのは日付・できごと・怒りの度合い(10点満点中●点や、●%など)
「●月●日 出来事(例:挨拶したのに返事をしてくれなかった)、怒り度3点」などです。
自分の怒りを言語化し、点数付けで客観的にみることで、自分の怒りを冷静に受け止めることができます。
アンガーログは起きたその時、記憶が鮮明なうちに記録をつけます。
記録の残し方は、手帳に手書きでも、スマホにメモでも構いません。
●STEP3:べきログ(記録)をつける
べきログは、アンガーログを振り返って自分の価値観「~すべき」を考えるための記録です。
毎日行う必要はなく、いくつかアンガーログが溜まった段階で落ち着いて振り返る時間をとります。
先ほどの例”挨拶したのに返事がなかった”に潜む「べき」は何でしょうか?
例えば、以下のような「べき」があるかもしれません。
・関わる人には自分から率先して挨拶すべき
・一日の始まりは気持ちのよいやり取りでスタートするべき
・挨拶を受けたなら挨拶を返すのが社会人として当たり前
更に踏み込むと、また違った「べき」に出会うのかもしれません。
・挨拶は本来、目下の人から目上の人に対してするべき(自分は先輩で、相手は後輩だった)
・仕事の場に、私情を持ち込むべきではない(相手は不機嫌な様子だった)
・挨拶をしない人に対しては、周囲の大人がちゃんと指導すべき(周囲が我関せずだった)
掘り下げてみると、人それぞれ背景にある「べき」が違っていることに気づけます。
ちなみに皆さんも、仲間内で同じ出来事に怒っているのに、話を聞いていくと怒るポイントや理由が違っていた経験はありませんか?
これはお互いに持っている価値観が違い、目を向けている箇所が違うために起こります。
自分の「べき」を把握していくと、怒りが湧きそうな場面が想定できるようになります。
そして、それに対して自分で防止策を取ることができます。
”挨拶が返ってこなくても、自分からは気持ちよく挨拶できる人でいよう!”や、
”相手の価値観は違うのだから気にしない!”など、イライラしないために考え方を変えて防御策を打つのです。
ムダに怒らず、自分が快適に過ごすために”できること”に目を向けましょう。
自分では”変えられないこと”に注力してもムダな時間を過ごすことになります。
そのうえで、どうしても許せず怒る必要があると判断したら、それを伝えることが大切です。
怒りに任せるのではなく冷静に、なぜ挨拶をしてほしいのかを伝えます。
冷静に判断した結果であれば、きっと後悔しない伝え方ができるはずです。
今回は3つのSTEPをお伝えしました。
この方法が頭の片隅にあるだけでも、イラっと来た時に一瞬立ち止まって考えるきっかけになるはずです。
怒りで後悔しないために、ぜひ皆さんの中にある大切な価値観と向き合ってみてください。
譲れるラインと譲れないラインが見えてくると、必要な怒りポイントの判断ができるようになるはずです。
自分の感情とうまく付き合うことで、仕事でもプライベートでも楽しく快適に過ごせる自分を目指しましょう。
皆さんの健やかで幸せな毎日を願っています。
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