「自分がこれから選ぶ仕事は、楽しいのか。それとも辛いのか。」

学生から社会人へと踏み出す今、誰もが一度は考える問いだと思います。

私が留学していた頃、現地では挨拶の代わりに
「幸せ？」
「嬉しい？」
とよく聞かれていました。最初は少し戸惑いました。でも今思うと、それは “自分の感情に正直でいること” を大切にしていた文化だったのだと思います。

日本では自分の本音に向き合う時間、あまり多くないかもしれません。

人生には楽しい瞬間もあれば、苦しく重く感じる時もあります。

そのどちらもあるからこそ、自分の心に何を残し、手放すのかを選ぶことが大切になります。

他人の評価や「こうあるべき」という誰かが作った基準だけで本質を知らずに進んでしまうと、気づかないうちに、本当に大切にしたい自分の感情が見えなくなってしまうからです。私にとって、どうしても手放せなかったのが、ドレスをデザインする。純粋に「素敵なドレスをつくりたい」。ただそれだけの想いです。

私は花嫁さまと直接お会いすることはありません。それでも、私たちの作ったドレスが、誰かの人生で一度きりの瞬間を彩り、写真となって、記憶となって、ずっと残っていく。まだ会ったこともない誰かの人生に、そっと寄り添える。その事実は、何度経験しても胸が温かくなります。

1着のドレスには、本当に多くの人が関わっています。
接客スタッフ、MD、デザイナー、パタンナー、縫製、検品、物流、生地メーカー——。
さまざまな力がひとつの理想に向かい、まるでチームのように積み重なりながら、1着のドレスが生まれます。

そのプロセスのすべてが、誰かの「一生に一度」を輝かせていくのです。「素敵なドレスをつくることが好き」という気持ちで働ける今、私はとても幸せです。

もしあなたが、“好きなことが、誰かの人生を彩る瞬間につながる仕事”に興味を感じるなら——ここはきっと、あなたが挑戦し、成長し、輝ける場所になると思います。

最後までご一読くださり、ありがとうございました。