CHAPTER 01
BEGINNING
はじまりは、呉服店
一台のリヤカーからはじまった。
売って終わりではない、真心の商売。
1895年、明治28年に渕上呉服は創業しました。近代国家へと社会が急速に変化する一方で、市民の暮らしぶりは貧しく、モノが十分ではなかった時代。人々の生活をより良くするものをお届けしようと、一台のリヤカーで呉服雑貨の販売をはじめたのが、初代・渕上久三郎でした。西洋の文化が流れ込み、洋装が少しずつ広がってはいたものの、当時の普段着は呉服。日用品のひとつとして呉服の取り扱いがはじまったのです。呉服は着古したら終わりではなく、何度も手直しをして、何年も大切に着ていただくもの。売って終わりではなく、手直しが必要なお客様のもとには、無償で針を届ける。誠心誠意、真心を込めて商売をする。渕上呉服の教えが、今もなお私たちのなかに息づいています。
1895
初代渕上久三朗が呉服雑貨の渕上呉服を創業。